トマソン

トマソンという概念を知った。
トマソンとは「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」のこと。
赤瀬川原平氏による定義。

役割を失ったまま残されている階段 "純粋階段"
"役立たないものの美"
そして、使われていない小屋の美しさ。

下に書いた無意味な階段。これはきっとトマソン。
葉蔵が停車場のブリッジの実用性に気がついたとたん興が覚めた、失望してしまったのは
それがトマソンではなかったことによる落胆といえそうです。

中村好文氏が著書「普段着の住宅術」の中で述べている
「偶々残された一枚の壁に魅了されること」も、トマソン。

坂田和実氏がよくいう、
「実用のために生み出されたものが、実用から開放された清々しさ」。
これもトマソン。

村上春樹の短編「納屋を焼く」に出てくる
「誰からも振り向かれない、気がつかれない、燃やされても気にかけられないであろう納屋」に魅了される男。
この男が惹かれているのもトマソン。

役割から自由になった建築物。トマソン。
便利な言葉を知った。
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by antliondiary | 2005-07-24 21:29


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