今朝、祖父が死んだらしい。
アイスを食べてから眠りについたと聞いている。 あまり苦しまない安らか最期でよかったのだと思う。 でかくて遠い祖父だった。 親戚の集まりがあるとき、会がはじまるまでいつも別室に控えていた。 会が始まっても、孫たちより一段高い上座に鎮座していた。 祖父の家のリビングにたずねていっても、いつも威厳のある大きな安楽椅子に腰掛けていた。 でかくて遠かったのがだんだんと小さくなって消えた、そんな印象だ。 一度だけ祖父の私室に入れてもらったことがある。 「特別に。」 誇らしかった。 祖父の私室は小さな宝箱だった。 祖父の特にお気に入りのコレクションが集められているようだった。 衣紋掛けに素敵なペルシャ絨毯がかかっていて、じっと見ていたら 「これはいつかおまえさんにやるよ」 と妙に上機嫌だった。 嬉しかった。 そんな祖父だった。
by antliondiary
| 2006-10-16 13:55
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